Categories: 洒落怖

帰れない

この怖い話は約 3 分で読めます。

961 本当にあった怖い名無し New! 2014/02/19(水) 18:58:42.50 ID:UVkn4pYzI
「おい、しっかりしろ!!」
先輩の声で目が覚めた。
「あれ?俺どうなってたんですか?」
「今朝、斎藤って人がお前を運んできたんだ。体のどこにも異常がないのにお前ずっとうなされてたから心配したんだぞ!」
マジかよ…
「…斎藤さん、何か言ってませんでしたか?」
「そうなんだよ。“かわいそうに。もう逃げられないね”だとよ。どういう意味だ?お前薬でもやったのか?」
「そんなんじゃありませんよ。あ、そういえば車山奥の診療所に置いてきちゃったので、とりに行ってもらえませんか?」

962 本当にあった怖い名無し New! 2014/02/19(水) 19:03:38.85 ID:UVkn4pYzI
「俺も暇じゃねぇんだ。元気になったらお前が取りに行け。今日はゆっくり休んで…」
「俺一人じゃあんなとこ…」
俺泣いちまったw
そしたらさすがの先輩も気遣ってくれて、
「なんかあったな。仕方ねぇ。行ってやるか。だが、お前も来いよ。」
「はい…」
次の日、教授には相当無理を言って休みをもらって診療所まで行ってきたんだ。

963 本当にあった怖い名無し New! 2014/02/19(水) 19:10:56.70 ID:UVkn4pYzI
「こっちです。」
「は?こっちだろ。そっち行き止まりだぞ?」
そんなはずない。
山奥までいくバイトだったから、道順間違えて遭難なんかしたらやばいと思って頭に叩き込んだはずだ。
「こっちですよ。二日間通ったから間違いありません。」
「間違いねぇって…俺この辺詳しいから知ってるけどそっちは行き止まり。そんなに信じらんないなら行ってみるか。」
「はい。」

本当に行き止まりだった。目の前崖。
先輩の言ってた方に行ったらあった。診療所が。

964 本当にあった怖い名無し New! 2014/02/19(水) 19:17:43.79 ID:UVkn4pYzI
先輩が声を張る。
「斎藤さ~ん!いらっしゃいますか~?」
「はいはーい」
違った。
俺の知ってる斎藤さんじゃなかった。別人だった。ってか女の人だし。
先輩も驚いている。
「あの…斎藤さんですよね?」
「えぇ。でもなぜ?」
「昨日、この馬鹿を運んで来てなんていませんよね?」
「馬鹿って…」
「えぇ。初めましてよね?」
「ご主人とかいらっしゃいますか?」
「あの人は死にました。」

965 本当にあった怖い名無し New! 2014/02/19(水) 19:24:49.85 ID:UVkn4pYzI
「し、写真とかないんですか!?」
「こっちよ。」
あぁ。マジかよ。俺の知ってる斎藤さんじゃねぇか…
「そ、そういえば、俺の車…」
「車?そんなものあったかしら。」

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