洒落怖
おてて

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高校生の頃、いっつもつるんでいた友達Aの誕生日を祝おうってことになった。
当日、その友達を含む仲の良かった連中と、いつもの広場に集まって、そっからしばらくゲーセン行ったり卓球したりと楽しんでいた。

気づけばあたりは薄暗く、いつも通りの遊びのままで終わりそうになったその時。
「肝試しにでもいかない?」と、Bが言い出した。
私はその類の話は苦手ではなかったが、正直言ってつまらなく思えた。

何より、友達に早くプレゼントを渡したかった。
しかし、このままではいつも通りのままで、サプライズになりそうな要素もプレゼントくらいしかなかった。

他の子たちは怖がる子もいれば好奇心をむき出しにして賛成する子もいた。
私は前述から想像できる通り、可もなく不可もなくといった感じで黙っていた。
Aが行きたいと言うグループの一人だったということもあり、怖がっていた子たちも渋々ではあるが参加してくれた。

近所には廃墟とかはなかったが、学校内で、あるアパートは、人が引っ越してきては一週間も経たないうちに出て行ってしまうという噂があった。
所謂、いわくつき物件というやつだ。
そこで、肝試しをやることになった。

しかし所詮は噂であり、ただの誰かの口から出たでまかせである確率は高い。
大したこともないだろうと言いながら私たちはそのアパートへ向かった。
外観は噂が流れるのが想像できないほどにきれいで、問題はなく思えた。
まず廊下を歩いてみるが、特に変わった様子はない。

しばらくしてBが、「ちょっと待って。」と私を含むほかの子を呼び戻した。
見ると、空家であるはずのドアをBがいとも簡単に開けていた。
試しに他の部屋も試してみたが鍵がかかっていないようで、簡単に開いてしまう。
とうとう我慢できなくなった友達の一人が、震えながらアパートを出て行ってしまった。
私たちは急いで追いかけたけど、どこにもその姿はなかった。

私やB、肝試しを提案したAも、さっきまで意気揚々としていた子たちも、
危険そうだからもう今日は帰ろうってことになって、プレゼントも渡せないまま最初に集まった広場で別れた。

私は帰宅するなり、逃げてしまったこの家に電話をかけた。彼女の母親が出た。
「もしもし、○○です」

「あの、○○ちゃんってもう家に帰ってますか?」

「はい、うちにいますけど・・・。でも、なんだか様子がおかしくて・・・。」

「えっ」

「帰ってきたらシューズを脱ぎ捨てて、何の用意もしないままお風呂に入っていって、
どうしたのかと思って覗いてみたら、悲鳴を上げながら全身を手で擦っているんです・・・。
落ち着かせようとして声をかけても、全く聞こえてないみたいで・・・。」

電話越しに、彼女の悲鳴のような甲高い声が聞こえてくる。
怯えているのか、息も荒い。

わけが分からなくなった。肝試しに行った結果だとしか思えなくなり、
すぐにこのことを他の友達にも話した。
その後、血で染まった浴槽で、溺死しているその友達の姿があったという。

翌朝、私はとんでもないものをみた。
無数の真っ赤な鮮血の手形が、部屋の壁を這うようにしてびっしりついていた。
朝食も食べずに、私は家を飛び出し、学校へ走りこんだ。

それからは特に何も起きていないが、今年で4歳になるBの娘さんが、
部屋のいたるところを指さしながら、奇妙なことを毎日いうようになったという。

「おっきなおててがいっぱいだよ。りんごみたいにまっかっか。」

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