この怖い話は約 2 分で読めます。

俺が小学生の低学年の頃、住んでいた団地の近くにはでかい廃工場が放置されていた。
当然、近所のガキ達は親からそこに行くことを禁止されていたんだけどな。
まあそんなもんガキ達にとっちゃ何の意味もないわけで、俺もよく兄貴や友達とそこに入り込んでいた。
工場敷地内は、メインの工場部分と宿舎(?)っぽい部分の大きく二箇所に分けられていたんだが、
宿舎部分のベランダから工場部分の屋根の上に上ることができた。
俺らはその日、屋根の上で走り回っていたんだが……
突然何かが砕けるような音がして、俺の目の前から急に兄貴の姿が消えた。
その瞬間は何が起こったのかさっぱりだったが、足元から兄貴の叫び声が聞こえた。
足元には、屋根の穴にほぼ落ちているがかろうじて捕まってる兄貴の姿があった。
周りにいた友達どもを集めて全力で引っ張りあげて事なきを得たが、
その屋根の下は4階ほどの高さだった。もし落ちていたら洒落じゃすまなかったろう。

それから兄貴は異常なまでに高所恐怖症になりましたとさ、っていうお話。
ぜんぜん怖くなくてすまん。
でもトラウマとか恐怖症の原因になる体験って、本人達にとっては死ぬほど怖かったってことなんだろうなぁ。

bronco

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bronco

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