この怖い話は約 3 分で読めます。

俺にはNっていう友人がいるんだが、
どういう訳かNは自分の家に人を呼ぶのを嫌う。

いや、嫌うというか
親に友達を家に上げるな。と言われていたらしい。

確か、家が片付いてないだとか、洗濯物が干してあるからだとか、毎回理由はそんな感じ。

Nは学校の中で一番の人気者で、友達の数も多くてさ。
家に遊びに行く約束とか良く言われるんだけど、
そういう時、絶対にNは断る。

しかし、それが長い間続くと、
何故かNの家は玄関だけで遊ぶならOKっていう許しが出た。

男5、6人が人ん家の玄関でカードゲームしたりゲームボーイしたりするちょっと珍しい事になってたのはいい思い出。

玄関は広かったし、すぐ近くにトイレもあったから何不自由なく遊べたし、最初は新鮮味のあった遊びのスタイルも、皆徐々に慣れて、それが普通になっていった。
484 本当にあった怖い名無し 2011/05/08(日) 00:59:50.13 ID:5l2II0K7O
俺は幼稚園の頃からNを知っていて、自分で言うのも何だが、Nとは親友のつもりでいる。

それくらい仲が良かったんだ。

一緒に飯を食いに行ったり、小学校を卒業した時には、一緒に旅行なんかも行ってた仲なんだが、

そんなに仲が良い俺でもNの家の中に入った事はなかった。

Nん家は3階建てで、3階に自分の部屋を持ってるのは知ってて、

若い時分、3階建ての民家なんて入った事がなく興味もあったし、親友の俺くらいには家の中を見せて欲しいって思いも強かった。

そして、ある日。
とうとう俺は、どうしてもNの家で遊びたいとNに頼み込んだ。

最初はいつもみたく断るNだったが、ちょっと悩んでから、
「お前なら家に上げたの親にバレても怒られんと思うし、別にええで。」

と許しを得る事ができた。

初めてNの部屋で遊べる、

その時は本当に嬉しかった。

485 本当にあった怖い名無し 2011/05/08(日) 01:02:05.70 ID:5l2II0K7O
Nの家に着き、ルンルン気分の俺、
「お前の家めっちゃ気になっててん」
とか言いつつ二階に上がる。
二階はリビングで、Nが言う程部屋は汚くなかった。
いや、むしろ片付いている方だとさえ思った程だ。

片付いたリビングを横目に、俺はNに案内されて三階の階段へと向かう。

階段は当たり前だが一階から二階へ続く階段と同じ、木製の良く見る普通の階段。

案外普通だな、と思いながら一歩階段に足を乗せる。
すると妙な事に、少し遅れて階段の板の裏から、
「トン、」
と、小さな振動が返って来る。明らかに木のきしみではない。
俺がびっくりして、
えっ!?と声を上げると、Nは、
「建て付けが悪くてな、気にしんといてくれ」

と、言う。

Nの言う事に納得しつつも、階段を昇る度に返ってくる振動に気味の悪さを感じ、
俺は何となく手すりに手をかけようとした。

「手すりに触るなよ、」
Nが振り向く事なく俺に言ってきた。

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