この怖い話は約 3 分で読めます。

いつもこの時期になると思い出しては、誰にかに話したくて、でも話せなかった話。
もう昔の話しだし、当事者も亡くなっているから書く。

以前、私が働いていた所での話。
その職場は、冬の間だけは季節労働の方々がやってきて、
私たち年間雇用の人間と作業をする職場だった。
その作業は時には夜通し行う事もあり、その夜は私と年配の方と二人っきりでの作業だった。

作業も一段落して、二人で酒を呑んでいた時の話。
その年配の方は普段漁師をやっていて、漁に出れないこの時期だけ、ここに来ている。
酒もすすみ、その方の若い頃の遠洋漁業の話になった。
昔は3回も遠洋に出れば家が建てれた、きつかったけど楽しかった。とか。
そこで私は聞いてみた。
そんだけ稼ぎがいいなら、なかには変な奴も乗ってくるんじゃないですか?
ほらよく借金返済のためにマグロ漁船とかいいますよね…

うん。たまにはそんな奴もいたね。
でもプロの漁師じゃない奴なんて、たいがい身体と精神が保たずに辞めて行くね。
(たしか補給で立ち寄る港に降ろすとかなんとかいってたような…)

そういえば一人、ひどい奴がいたなぁ。
やくざかチンピラか、そっちから流れてきた奴で、仕事は全くできない。
その上刃物は振り回すで酷かったよ。
だからみんなで話し合って、海に突き落としたらしいよ。
時化で波にさらわれたって報告しとけばバレないからね。

そういってその方はニヤリとした。

その夜は眠れなかったなぁ。

602 本当にあった怖い名無し sage 2009/12/05(土) 09:09:03 ID:P/Mxttrc0
>>563の話で思い出した。
うちのじいさん(故人)は、太平洋戦争時、南方の小さい島に送られた。
規則に反すると、桟橋の突き当たりで射殺。
そのまま死体が海に落ちて、後片づけしなくてもよいからだそうだ。
食料事情は厳しく、まじめな人から順に餓死していった。
じいさんは下っ端だったが、薬係の人、食料係の人と仲良くなって間を取り持ち、マージンとして薬と食料を手に入れて何とかしのいでいた。
もちろんバレたら銃殺だったよ、と言っていた。
じいさんの隊の上官(?)は嫌な人で、何かと理由をつけてイジメをしたり、物を取り上げたり、やりたい放題だった。
じいさんも、海に潜って採った真珠を取り上げられたと言っていた。
生きて帰ったら、まだ見ぬ結婚相手に贈ろうと思っていたので、とても悔しかったそうだ。
そんなこんなで、この上官はみんなから恨まれていた。
そして終戦、引き揚げ船の中。
日本の勝利を信じて、厳しい規則や上官のイジメもガマンしてきたのに、敗戦だなんて今まで一体何だったんだ!と、爆発した人たちが、例の上官を引きずり出し、担ぎ上げ、泣きながら命乞いするのも無視して、海に投げ込んだ。
後はどうなったか知らない、と言っていた。

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