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とにかくこの状況はヤバ過ぎる。
俺もそろそろ手が限界だ。何より寒すぎて体が思うように動かないし、なんか
判断力も鈍ってきている。
と、その時、やっと森が開けて人家や町並みが見えてきた。
車の中はまだ尋常じゃないくらい寒いし、後ろから“それ”もまだ追ってきている。
でも、俺たちはそれだけでもかなり気が楽になった。

そして更に進むと、道の先に総合病院っぽい大きな白い建物が見えてきた。
M衣とH奈、とくにH奈はかなりヤバイ状態だ、俺とT幸も言うほど無事ではない、
とにかくなんとかしないといけないと思った俺は、車を飛ばし病院の玄関へ
横付けすると、ガタガタ震えながらドアを開けて助けを呼んだ。
寒すぎて体がうまく動かず、声も小さかったが…

この時気付いたのだが、外に出ると外は十分すぎるほど暑かった、熱帯夜の暑さだ。
後ろを見ると、いつのまにか“それ”も消えていた。
どうやら助かったらしい。

玄関の異変に気が付いたのか、病院から看護婦や何人かの人が出てきて、
俺たちを病院内に入れてくれた。
M衣とH奈は担架で運ばれていった。

550 8 sage New! 2011/06/26(日) 00:27:15.69 ID:rfZFHv4u0
その後、俺とTはどうも軽い低体温症にかかっていたらしく、病院内の風呂に
連れて行かれて風呂に入らされた。
M衣とH奈、とくにH奈は症状が結構重いらしく、どこか別の場所で処置を受けている
らしかった。

30分後くらいだろうか、やっと俺は震えが止まり、風呂から上がり服を着て出された
ホットココアを飲んでいると、事件性があると通報されたのか、警官2人が俺と
T幸のところに事情を聞きに来た。
俺たち2人は嘘をついても仕方が無いと思い、あの場で起きた事を全てありのままに
話したのだが、当然の事だがまったく信じてもらえない。

一応警官はT幸の車の中を調べたり、別の警官が俺たちがあの奇妙な物体に出会った場所
まで行ったらしいのだが、それらしき証拠はなにもなく、最初俺とT幸はかなり疑われ
尿検査までさせられた。
まあ、今から考えれば真顔であんなこと言えば薬物中毒か酔っ払っていると思われても
仕方が無かっただろうけど…

その間たぶん2時間か3時間くらいだったと思うのだが、とにかくその間にM衣とH奈
も回復したらしく、症状の重かったH奈は安静を取って今日1日は入院ということらしいが、
後遺症もなく助かったようだ。
警察も、事情を聞く限り事件性は無さそうという事で、なんでこんな事になったのかは
これからも調査するから、また事情を聞くかもしれないと言って帰っていった。

その後、M衣とH奈の両親がやってきて、俺とT幸とM衣が事情を話したのだが、反論とか
疑いの目とかは無く聞いてはくれていたけど、まあ信じてはいなかっただろう。
とりあえずH奈の病室に全員集まり、いろいろと話をして、俺もT幸もM衣も回復したとはいえ
消耗しているので、早々に帰って寝るようにと医者に言われ、病室を出る事にした。
M衣はそのまま両親に連れられて帰って行った。

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bronco

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