ホテル・旅館
ビジネスホテルにて

この怖い話は約 4 分で読めます。

去年の正月の話。

短く纏めるつもりがかなりの長文になってしまったので暇な人だけ読んで頂ければと思います。

俺は二十歳位から都心で生活しているのだが、正月は暇なので実家に帰る。
改めて東京は地方出身者の集まりなんだな、と感じる程正月は道路もガラガラ。
なので正月は車で15分もあれば実家に帰る事が出来る。

俺は片親で実家には親父しか居ない。
この親父がまたヤンチャと言うか豪快と言うか、過去正月にお互い酔っぱらって
鼻骨骨折、前歯欠損レベルの喧嘩を良くしていた。
さすがに最近はお互い大人になって殴り合いになるような事は無くなったが。
121 ビジネスホテルにて2 2009/12/14(月) 06:42:24 ID:Mg+YjVjL0
少々話が逸れたが、そんな親子関係なんだ。地元の友達みたいな。
当然親父も俺も二人で正月を過ごすってのはなんだか照れくさいもんで、
毎年親戚の家で鍋なんかをつつきながら、酒飲んで馬鹿話してるのが毎年恒例。
親戚は親父の弟(つまり叔父)、お嫁さん(つまり叔母)、そこの娘(従姉妹だね)などなど皆明るい性格で楽しく過ごさせて貰ってる。
ちなみに叔父、叔母は所謂霊感体質ってヤツで何度か巻き込まれた事がある。
それはまた別の機会に。

その年帰省した時、俺はデジタル一眼を持っていた。キム◯クがCMやってる奴ね。
なんでかって言うと年末の俺の誕生日、毎年友人や後輩や先輩、仲間の皆が誕生日会を開催してくれるんだ。その時なんとなく欲しいなあ、と思っていたそのデジタル一眼を先輩がプレゼントしてくれた。タイムリーで凄い嬉しくて実家で皆の写真を撮ろう、と思ってさ。

122 ビジネスホテルにて3 2009/12/14(月) 06:43:40 ID:Mg+YjVjL0
家系はみんな大酒飲み。鍋食べながらどんどん酔っぱらっていった。
親父は俺のカメラを取り上げ、パシャパシャ撮って楽しんでいた。
「先輩から貰ったもんだから悪戯すんなよ」と忠告した俺が馬鹿だった。
そんな事言われるとウチの親父は燃える。たけし軍団とたけしのようになってしまう。
案の定、鍋にレンズのフタを入れて煮込み出したり、わざと落下させたりし出した。
最初は俺も笑っていたがどんどんエスカレートしていく愚行に、酒の入った俺も怒りだしてきた。「次ふざけた事やったら怒るぞ」と忠告した記憶がある。
いつもこんなやりとりなんで周りは笑ってる。

普段酒飲んでも変わらない俺なんだが、日本酒だけは鬼門。その為日本酒は「正月のみ」と
決めている。今思ったが、だから親父と喧嘩になるんだな、、、。
相変わらず親父は悪ふざけ、ついに俺がキレた。
「いい加減にしろよコノヤロー」ってな具合で始まってしまった。
止めに入る叔母。「うるせーよコノヤロー」って具合でもう止める事は出来なかった。

123 ビジネスホテルにて4 2009/12/14(月) 06:48:05 ID:Mg+YjVjL0
流石にこの歳で殴り合いってのも寒いので、俺はその場で帰る事にした。
飲酒運転は出来ないので代行を探そうと思ったがそれすら面倒くさく、カード会社に連絡をして最寄りのホテル手配を頼んだ。
しかし、いつも宿泊しているホテルは満室。すぐ他のホテルを手配してもらった。
結局隣町のホテルでタクシーで5000円位の距離。タクシーも手配してもらった。
そんな俺をみて親父も「テメー偉くなったもんだなコノヤロウ」ってなもんで一触即発だったんだ。叔母は「お正月から親子喧嘩なんてやめてよ。◯◯ちゃん(俺)、我慢して」と懇願されたが「ウルセーよコラ」と完全に輩モードに突入していた。叔母さんごめん。

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