Categories: 中国・朝鮮

サリョじゃ!

この怖い話は約 3 分で読めます。

188 1 sage 2005/06/08(水) 15:12:30 ID:T8/BXARX0
2年ほど前のことです。いつものようにデートのあと、付き合っているM君に下宿まで送ってもらっていました。M君は自称霊が見える人で、当時私はあまり信じていなかったと言いますか、そのことについて深く考えたこともありませんでした。
しかしいつもそのことを思い出してしまうのが、この帰り道です。実は帰り道の途中には彼がどうしても通るのを嫌がる道があり、そのためいつもその道を迂回して送ってもらっていました。
彼いわく、その道には何かありえないようなものが憑いているので近づきたくもないそうです。
でもその日のデートはかなり遠出したこともあり、私はものすごく疲れていて少しでも早く家に帰りたいと思っていました。この道を迂回すると、ものすごい遠回りをしなければ私の家には帰れません。

だからこの道を通って帰ろうとM君に提案したんですが、彼は頑なに反対。結果ほとんど言い争いのようになってしまいました。
(というか、私が一方的に怒っていて彼が必死に止めようとしていただけかも。ごめんM!)最終的には私がひとりでもこの道を通って帰ると主張すると、M君もひとりで行かせるくらいならと、ついてきてくれることになりました。

その道に入ると、M君は目に見えて怯えていて、顔は真っ青でした。時間は23時くらいでしたが、街灯もあって真っ暗というわけでもなく、私からすると普通の道。

私もやはり気になって訊いてみても、「今はまだ大丈夫」ということでした。
少し進むとY字路になっていて、私の家に帰るには左の方の道です。このあたりになるとM君も少し落ち着いてきていて、私も安心して何の躊躇いもなくY字路の左側の道に入りました。

左側の道に足を踏み入れた瞬間、何か急にあたりの雰囲気が変わりました。物音が一切しなくなって、心もち明かりが暗くなりました。(M君がいうには、本能的に目の前のものに集中したため視界が狭まっただけということです)足が寒いところにずっと立っていたあとのように痺れて引きつり、上手く歩けません。
力も入らないのでその場に座り込んでいてもおかしくなかったのですが、なぜかその引きつった足が体を支えていて、私はその場に立ち尽くしました。

189 2 sage 2005/06/08(水) 15:12:49 ID:T8/BXARX0
いきなり前方からゴッと突風のようなものがきました。感覚としては、すぐ横を電車や大型車が通過したときのあの感じです。そしてその瞬間

「サリョ(鎖虜?左路?)じゃ!サリョじゃ!」

という大小の声があたりに鳴り響きました。近いものは私のすぐ耳元で聞こえました。

突風のようなものが過ぎ去ったあと、私は呆然と立ったままでした。M君は先ほどまでとは比べ物にならないくらい血の気のない顔をしていましたが、急に私のほうにやってきたかと思うと、ものすごく必死に私の足を何度も何度も平手で叩きました。

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