この怖い話は約 2 分で読めます。

路地裏に占い師がいたんだ。

最近ついてないから占って貰おうと思い、近づく。
良く見ると、自分でも何故占い師だと思ったのか分らないほど普通の人だった。

「占ってくれませんか?ぼくは何をしたらいいんでしょう?」

すると、やや間があって・・・
「例えば、一秒先のことを予測するのに、一秒かかっては意味がない。
だから、私はあなたをすぐに変えてしまうことにする。
ところで、川が流れるのは上下の勾配があるからなのだけれど、時間は何故ながれていると思う?」
こうのたまった。
まったく意味がわからず、いぶかしげに占い師の顔を見ていると、
「既知と未知がその勾配なのさ。未来を知った人間はどうなるのかねぇ」

あの後、どうやって家まで帰ってきたのか覚えていないのだけど、
その後何をするにも成功ばかり。
幸せかって?

最近、気持が悪いのが治らなくって、病院にいくことにするんだ。

そしたら

離人症なるものになっていたらしい。全く意味がわからなくなるということだ。

もう、息子も妻も愛せないんだ、どこか冷めていたんだ。

bronco

Share
Published by
bronco

Recent Posts

ブライダルフェア

いや、たいして怖くないんだけど…

4年 ago

教祖の妻の肖像画

親が昔、へんな宗教にはまってた…

4年 ago

The Body

10年くらい前の話だけど・・・…

4年 ago

謎の曲

出所が分からない所からの楽曲ダ…

4年 ago

エレベーターで見たもの

じゃあ俺が生涯で一番ビビった話…

4年 ago

強烈な遺体

久しぶりに民話でなく現代の話を…

4年 ago