占い・おまじない、呪い
消えた10円玉

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去年の夏の話でし。

「こっくりさんしない?」
最初に言い出したのはたしか、好奇心旺盛な怖いもの知らずのJだった。
皆酒が入っていた為、口々に同意する。

私たち4人全員が集まるのは、久しぶりだった。
中学を卒業して、初めての夏休み。
各々、進学したり、就職したりと新生活に振り回されつつも、
連絡は欠かさなかった。

「最初、どうやるんだ?」
「ああ、それなら…」
黒一点のRが尋ねる。
それに対して私は「いいサイトがある」と、
本格的なこっくりさんのやり方が載っているサイトを開いた。
917 740 2007/07/31(火) 14:47:10 ID:LbSFzdWlO
「まず、半紙を用意」
「半紙?」
「習字紙。習字かばんの中に入ってる」
私の指示に従って、3人が用意を進める。
文字を書く墨には、自分たちの唾液を混ぜて、供える酒を準備。
「お酒?酎ハイでいいかな?」
「泡盛とかは?」
「あ、それいいわ!」
本当はお酒は清めなくちゃいけないらしいが、それは無視した。
「なんか鳥居をね、血で書くといいらしいよ」
カルトマニアのKが言う。
Kは所謂、みえる人だ。
Jが血で鳥居を書いて、準備は終わった。

918 740 2007/07/31(火) 14:47:52 ID:LbSFzdWlO
折角だから2時から始めよう。
Kの提案で、15分程待つことになった。
「じゃあ行くよ?
こっくりさんこっくりさん、いらっしゃいましたらおいでください」
Jの言葉を皆で反復する。
「………………」
「………何も、起きねぇな」
5回程繰り返したが、何かが起こる様子はない。
拍子抜けだ。
10円玉からKが手を離し、Rも手を話す。
私が手を話して、Jが面白くなさそうに手を離しながら言う。
「何もなんないじゃん。しょぼ」
5が文句を言った瞬間、パン、とかわいた音が響いて、10円玉が消えた。

919 740 2007/07/31(火) 14:49:00 ID:LbSFzdWlO
私たちはア然として、辺りを見回す。
フローリングの床には、何も落ちていない。
「今、落ちた音、しなかったよな?」
「……うん」
Rの問いに、頷く。
張り詰めた空気のなかKがぽつりと漏らした。
「この部屋、いない方がいい」
その声に弾き出される様に、家を出る。
電気も消さずに飛び出した私の部屋の窓には、
誰もいない筈なのに3人の人影が見えた。

その日は結局、夜が明けるまで待って部屋にRと戻ったんですが、
こっくりさんの紙も消えてました。
それから1週間くらい、ポルターガイストが続きましたが、
Kのお祖父さんにおはらいをしてもらってなんとかおさまりました。
怪我人も出ましたが、
Kは最後まで何を読んだか教えてくれません。
長文失礼しました。

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