代替わりの年にその家の長男もしくは長女が死ぬ

この怖い話は約 3 分で読めます。

家系にまつわる怖い話。

これウチの話ね。
幽霊とかそういう話じゃないが、気持ち悪いのでここで書かせてくれ。

ウチ(正確にはウチの母方の家)は某県の旧家なんだけど、
本家が二つある。「ホンケ」と「ホンヤ」と言って使い分けてる
んだけど、県の北部にいくつかある菅原道真の末裔の家。
詳しく書くと素性が割れるので書かないが、各家にいくつか伝説
があるんだよ。(別に家同士親密なつながりがあるわけじゃないが)

有名なのが「三穂太郎」の伝説で、とにかく大きな人がいたらしい。
あと別の家には「敷地内で白ヘビを見ると幸福になる」という伝説。
よくわからないが、ウチの家系には白ヘビに関する伝説は多いらしい。

で、ウチの家にも当然伝説がある。

「代替わりの年にその家の長男もしくは長女が死ぬ」

っていう伝説。
なんでも代替わりの年(当主が死んだ年?)に新当主(息子)の長男
若しくは長女が死ぬって話らしい。
なんでウチの家だけそんな怖い伝説なんだよって思った。もっとも俺
からしたら母方の家の伝説だから直接関係無いんだけど、、、
お盆か正月か、、とにかく母方の親戚が集まってるときに一緒になって
聞いてしまったというワケ。
その時は「へぇー」と思って何だか嬉しかった。伝説がある家って、
そうは言ってもあんまり無いからさ。オカルト好きだし。

それから何年かして、本家(母方の家ね)の長男が結婚する段階でまた
そんな話になってさ。伝説の話なんか俺にしてみればオカルト的な一つ
のネタに過ぎなかったし、すっかり忘れてたよ。
その時も母方のオバチャン連中が何やら神妙に話しててね。小声で。
何を話しているのか一緒に聞いていたら、どうやら戸籍の話をしてる。

ーー○○が結婚したろぅ?子供ができたらウチゃアノ話があるけんどう
すりゃあ言うて話しょーったンよ。
ーーそれでも今はソンな話言うてもいけんけぇ(駄目だから)、普通に
しょうやぁ(しようよ)、いう事になってなぁ、、、

という話だった。
みんな小声でさ。とにかく口を挟み辛い雰囲気だったから黙ってたんだ
けど、後から母親に聞いてみると本家の長男(30歳くらい)が結婚する
事になって、子供が生まれた場合の戸籍申請に関する事だったらしい。

母親から聞いたときは「???」って感じだったんだけど、よくよく
聞いてみると例の長男長女の伝説の事らしかった。
当たり前だけど、長男長女が死ぬって事は家を継ぐ人間がいなくなるわ
けで、そうなれば養子しかないんだけど、古い家じゃそういうわけにも
行かないし、、という事で、この家はどうやってきたかというと、、

長男長女が生まれた場合、実の親じゃなくて、祖父の子供として申請し
ていたらしい。

戸籍上、長男も長女も祖父の養子にしちゃえば代替わりのときの凶事に
あわなくてすむからね。
それだけでも例えようも無いくらい嫌な気分になったんだよ。
古い因習をいつまでも守り続けるって良い事ばっかりじゃないな、って。

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bronco

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