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ある朝、頬をなでられる感触で目覚めた。
おそらく飼い猫のチョビだろう。
肉球でピタピタと俺の頬をなでている。

だが俺は眠い。まだまだ微睡んでいたく、無視した。
ハッと気がつくと、起床の時刻をやや過ぎていた。
目覚まし時計をかけわすれていた。

その日は本命の入社試験日だった。
危うく遅刻するところだったが、なんとか間に合い、
無事内定をもらい、今俺は希望通りその会社で働いている。

あのときチョビのおかげで遅刻せずにすんだ。
しかし、チョビは三年前に他界していた。
独り暮らしの俺は動物は飼っていない。
だがあの朝、俺の頬を撫でていたのは、生前、寝ている俺に遊んでくれとせがむチョビのそれだった。

bronco

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