この怖い話は約 3 分で読めます。

173 本当にあった怖い名無し sage New! 2006/12/09(土) 20:48:01 ID:2fmneDCNO
少し長くなりますが承知してください。
発端は高二になった春のこと。
あまりクラスになじめず、その日は休日だったが、僕は外出中の父の書斎で本を読んでいた。
昼ごろ、急に地震が起きた。揺れは結構大きく、本棚が一つ倒れた。
幸い怪我は無かったが、僕はあることに気付いた。
いつもは本棚で隠れていた壁にドアがあったのだ。
この家には生まれたときから暮らしていたが、こんなドアは知らなかった。
ドアをあけると、そこは一畳くらいの物置スペースみたいな部屋。
その床にはぽつんと30cm四方の木箱が置いてあった。
開けてみると一回り小さな、古い木箱が入っている。
その箱は赤い紐で縛られていて、真ん中に「浦廻」と書かれていた。
そしてその箱も開けると、紙包みがでてきた。古い紙で、黄ばんでいる。
その中には小刀が入っていた。15cmくらいの

178 173 sage New! 2006/12/09(土) 21:08:00 ID:2fmneDCNO
かなり錆びていて、先端は折れてた。
気味が悪かったので部屋を出た。夕方に父(僕は父と二人暮らし)が帰ってきて、父にそのことを伝えると、父は大変驚き焦った様子。
「刀に触ったのか?」と聞かれ、触ったと答えるとますます焦りだした。
「お祓いをしなきゃダメだ…子供が触っていいものじゃない……」
とか言いながら僕を車にのせ、一時間ほど走った。
父の故郷まで来て、ある家を訪ねた。その家の男と父はこんな会話をしていた。
「息子が、ウラミバを…」「そ、それは大変だ!早くこちらへ!」
家に僕は入れられお祓いみたいなことをされた。
正直、状況が理解できずポカーンとしていた。

181 173 sage New! 2006/12/09(土) 21:30:43 ID:2fmneDCNO
男は神主らしく、僕に話してくれた。
「大昔、この辺りは鬼が荒らし回っていてね。
ある勇敢な男が鬼と戦い、二つの心臓の片方を刀で突き刺したんだ。
刀はみるみる錆びて折れたんだ。それが君の家にある刀で、その男は君の祖先だ。」
「でもなんでおはらいなんてするんですか?」僕は聞いた。
「それは、夜になると鬼が探しにくるからさ。自分の胸を貫いた刀の持ち主をね。
刀を触って君に臭いがつけば、君を探しにくる。」
「…じゃあ刀なんて捨てればいいじゃないですか」
僕が言うと父がこう返した。
「それは先祖達が何度も試したが無駄だったのさ。結局手元に返ってきてしまう。
おまえには今まで黙っていて悪かったが、これは一族の宿命なんだ。」

その日は田舎の父の実家に泊まった。

183 173 sage New! 2006/12/09(土) 21:38:53 ID:2fmneDCNO
翌朝出発しようとすると、昨日の神主さんが走って来た。何やら父と話している。
神主さんが帰ると、父は「まだ刀に近づいてはいけないらしい。学校はしばらく休みなさい」と言って実家に僕を置いて自分は仕事に出かけた。
その日父は帰って来なかった。代わりに電話があり、父は「私が迎えに行くまで待っていろ」と言った。

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