この怖い話は約 3 分で読めます。

今から5年前、僕がまだ大学生の時の話しです。

当時、東京郊外にあるアパートで一人暮らしをしていて、寝る時は布団を1組ギリギリ敷けるくらいの狭いロフトで寝ていました。

ある冬の夜の事、いつものようにロフトで寝ていると、ガサガサ変な物音で目が覚めました。

眠い目を擦り、ロフトから顔だけ出し下の部屋を見てみると、暗闇の中何かが部屋の中をグルグル動き回ってるのがわかりました。
まだ寝ぼけていたので、最初は犬か猫でも迷い込んで来たのかな?って思っていたのですが、だんだん目が覚めて来て、そんな訳ないだろ!って気付きました。

ビビリながらも息を潜めてじっと見ていると、目が慣れてきて動いているそれが何かわかりました。

それの正体は5~6才くらいの人間(?)の男の子で、手首から先が無いのに四つん這いで部屋の中を走り回っていました。
男の子は裸で髪の毛が所々しか生えて無く、良く見ると体に黒い斑点がポツポツと幾つも有り、ガリガリにやせ細っています。

僕はあまりの出来事に恥ずかしながら思いっきり「ギャー!!!」と悲鳴をあげ、喚き散らしてしまいました。

男の子はゆっくりこちらを見ると「アァー…ゥアァー…」と言いながら、凄い勢いでロフトの下へ来て、こちらに向かってジャンプし始めました。

さすがにロフトまではジャンプしても届かないのですが、男の子は狂ったようにピョンピョン飛び跳ねています。

僕は後ずさりし、ロフトの隅で枕を抱えガタガタ震えていたのですが、ふとロフトと下の部屋を繋ぐハシゴが目に入りました。

あのハシゴに気付かれたら終わりだと思い、震えながらもハシゴをロフト側にあげようとしていると、さっきまでジャンプしていた男の子が僕の行動に気付き、手首から先が無い腕でハシゴにしがみ付いてきました。

この時初めて男の子の顔を見たのですが、目は両目とも黒目が異常に大きく、上唇が真ん中から鼻まで裂けていました。
黒い斑点は顔にもありました。

僕はハシゴから男の子を振り払おうと、ハシゴを上下に揺すったのですが、男の子は腕を絡めつけ中々離れません。

僕はあまりの怖さに力が抜け、手が滑りハシゴを下の部屋に落としてしまいました。

ガタン!!という音が響き、思わず目を閉じてしまいましたが、恐る恐る目を開けてみると男の子はどこにもいません。

僕は何が何だかわからず呆然としていると後ろから「キキキ…」と声がし、ビックリして振り返るといつの間にか後ろに男の子がいて、黒い目を光らせこちらを見てニタニタ笑っていました。

驚きのあまり僕はロフトから転がり落ち、体を強打したにも関わらず、急いで起き上がり玄関へ向かって猛ダッシュしました。

その後、近くに住む友人の家まで行ったのは覚えているのですが、気が付くと病院のベッドで寝ていました。

友人曰く、夜中にインターホンが何度も鳴り僕が「助けて!ヤバイ、助けて!」と叫んでいるので、何事かと思い玄関を開けると僕が血だらけで座っていたそうです。
僕は友人の顔を見るなり気絶してしまったらしく、友人は救急車を呼び、僕は病院に運ばれそのまま丸一日寝ていたらしいです。

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