この怖い話は約 2 分で読めます。

36 名前:降霊実験  9/9 投稿日:03/05/10 00:17
翌日サークルBOXに顔を出すと、師匠とkokoさんがいた。
「このあいだはごめんね。やりすぎた」
頭を下げるkokoさんの横で師匠はニヤニヤしていた。
「こいつ幽霊だからな。同じサークルでも初対面だったわけだ」
kokoさんは昼の陽の下にでてきても青白い顔をしていた。
「ま、お前も霊媒だの下らんこといって人をだますなよ。
 俺が催眠術の触りを教えたのはそんなことのためじゃない」
kokoさんはへいへいと横柄に返事をして僕に向き直った。
「芳野 歩く といいます。よろしくね、後輩」
それ以来僕はこの人が苦手になった。

その後で師匠はこんなことをいった。
「しかし、手首だの胴体だのを見たってのはおかしいな。
 いつもと違うところはないか、と言われてお前はそれを見たわけだ。
 お前の中の幽霊のイメージはそれか?」
もちろんそんなことはない。
「なら、いずれそれを見るかもな」
「どういうことですか」
「ま、おいおい分るさ」
師匠は意味深に笑った。

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