この怖い話は約 2 分で読めます。

小学生の時か中学生の時かの話。

 うちのトーチャンが最初に心筋梗塞で倒れたときに入院していた近所の大きな病院に見舞いに行ったときのこと。
 うちのトーチャンが入院していたのは一番上の階で、重篤患者が入るところだったらしい。
 ほんで、見舞いに何回か通っていたんだけれど、一度、休日か土曜日か、覚えていないけれど病院にひとけのない時に行ったことがある。
 トーチャンにジュース貰って、一時間ばかり話して帰った。
 病室は5階で、古びたエレベータに乗る。
 重苦しい音がして、3階で停まった。自分は3階のボタンを押していなかったので、誰か乗るのかな?と思っていたら扉が開いた。
 そのフロアは真っ暗で、非常誘導灯の緑色の灯りがぼんやりと灯っているのが強烈に印象に残っている。
 それよりもなによりも、エレベータを待っていたのは人間じゃなくて金属製のキャスター付きのベッド?担架?だった。救急で入った人を運ぶアレだ。
 その上には、人と同じくらいの大きさの中身が入った真っ黒いビニール袋。昔のごみ袋みたいなね。
 何が起きたのかよく分からないまま、「あれ?だれもいらっしゃいませんか?」とあたりを見渡しても誰もいない。返事もない。
 そのベッドというか担架をもういちどチラっと観たら、ふと急に恐ろしくなって「閉」ボタンを乱打して扉を閉め、家へ帰った。

 なんてことがあった。
 トーチャンはその病院にいたころ、明け方に小用を足しに出て、あっち側の人とお手洗いをともにしたそうな。
 トーチャンがお手洗いをともにしたあちら側のヒト。
 会釈を交わしたりして普通のヒトと変わらないのにいいしれない違和感があって、それが「影がない」ことだったそうな。
 顔色も悪かったけど、病人なんざみんな顔色悪いからなあ、と云って笑っていたっけ。

 今は病院に出入りする仕事してるけど、看護師さんとかが笑い話みたいに〇〇さんが出るね、って話を普通にしてる。
 病院ってなやっぱり、そういう事もあるんだね。

bronco

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bronco

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