この怖い話は約 3 分で読めます。

786 名前: 四隅 2006/08/28(月) 21:29:48 ID:9j0TgqFm0

せっかくのイタズラなのに、いつまでも誰もおかしいことに気づかないので、自演をしたわけだ。
しかしCoCoさんも京介さんも、昨日のあの感じではどうやらみかっちさんのイタズラには気がついていたようだ。
俺だけが気になって変な夢まで見てしまった。
情けない。
朝飯どきになって、みかっちさんが目を覚ました後、「ひどいですよ」と言うと「えー、わたしそんなことしないって」と白を切った。
「このロッジに出るっていう、お化けが混ざったんじゃない?」
そんなことを笑いながら言うので、そういうことにしておいてあげた。

後日、CoCoさんの彼氏にこの出来事を話した。
俺のオカルト道の師匠でもある変人だ。
「で、そのあと京介さんが不思議なことを言うんですよ。5人目は現れたんじゃなくて、消えたのかも知れないって」
あのゲームを終えた時には、4人しかいない。4人で始めて5人に増えてまた4人にもどったのではなく、最初から5人で始めて、終えた瞬間に4人になったのではないか、と言うのだ。
しかし俺たちは言うまでもなく最初から4人だった。なにをいまさらという感じだが、京介さんはこう言うのだ。よく聞くだろう、神隠しってやつには最初からいなかったことになるパターンがある、と。

787 名前: 四隅 2006/08/28(月) 21:30:22 ID:9j0TgqFm0

つまり、消えてしまった人間に関する記憶が周囲の人間からも消えてしまい、矛盾が無いよう過去が上手い具合に改竄されてしまうという、オカルト界では珍しくない逸話だ。
しかしいくらなんでも、5人目のメンバーがいたなんて現実味が無さ過ぎる。その人が消えて、何事もなく生活できるなんてありえないと思う。
しかし師匠はその話を聞くと、感心したように唸った。
「あのオトコオンナがそう言ったのか。面白い発想だなあ。
その山岳部の学生の逸話は、日本では四隅の怪とかお部屋様とかいう名前で古くから伝わる遊びで、いるはずのない5人目の存在を怖がろうという趣向だ。それが実は5人目を出現させるんじゃなく、5人目を消滅させる神隠しの儀式だったってわけか」
師匠は面白そうに頷いている。
「でも、過去の改竄なんていう現象があるとしても、初めから5人いたらそもそも何も面白くないこんなゲームをしますかね」
「それがそうでもない。山岳部の学生は、一晩中起きているためにやっただけで、むしろ5人で始める方が自然だ。それからローシュタインの回廊ってやつは、もともと5人で始めるんだ」5人で始めて、途中で一人が誰にも気づかれないように抜ける。
抜けた時点で回転が止まるはずが、なぜか延々と続いてしまうという怪異だという。
「じゃあ自分たちも、5人で始めたんですかね。それだと途中で一度逆回転したのはおかしいですよ」

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