洒落怖
看護婦寮

この怖い話は約 4 分で読めます。

これはまだ私が日本に居た時の話なんで10年くらい前です。
もうすでにその寮は取り壊されているし、かなりの年月も経っているので文章にしてみました。
いまだに当時の細部まではっきりと覚えています。
私の人生の中でこのような体験はこの1回のみです。
もう経験したくはありません。
当時23歳。
当時、私はフリーターでお金がなくなるまで遊んで、金欠になるとアルバイトしてという生活をしてました。
しかしある時、世間では入学、入社シーズン。
『このままこんな生活してていいものか?』
と思い、正社員として安定した収入を求めました。
運良く知り合いに食品会社の社長を紹介してもらい、待遇も良かったし、コネで入社することが決まりました。
さっそく来月から働いてくれとのこと。
しかし、今、住んでるアパートから車では環7の朝の大渋滞で通勤不可能。
電車はあまり好きではなかったので会社の近くでアパートを借りることにしたんです。
しかし、いい物件が見当たらない。
それは会社が都心の割といい場所にあるためで汚いアパートでも、家賃9万。
そんなに払えませんでした。
就職先の会社の社長とたまたま会話する機会があって、そのとき、通勤時間のことやアパートのことを相談したんです。
そしたら社長が
「職場の近くにあるうちの工場の拡大予定地に、古い元看護婦寮があるから取り壊しまでの4ヶ月は住んでていいよ。
いま1階は倉庫代わりに使っているけど、2階は人が住めるから。
電気と水道は通ってるからどうにかなるだろう」と。
タダそして車も止められるということで喜んでそこに決めました。
なによりいくら騒いでもそこに住んでるのは私1人。
苦情を言う人がいない。
友達を呼んで宴会ができる。

そしてさっそく次の日にそこへ行ってみました。
広い敷地内にひっそりとある外見は古い寂れた施設といった感じ。
壁に広がるヒビが時代を感じさせる。
これでは看護婦さんも住みたくはないだろう。
などと考えつつ中に入ってみると中身は結構きれい。
しかし埃が溜まっていて、会社が倉庫として使っているわけでなく、ただの物置として使っているのがわかる。
きっと、ここは寮として使われる前は公共の施設であったのではなかろうかといった作りでした。
ガスが来てないから風呂には入れない、キッチンは各部屋に小さいのがついてるから食堂などは掃除の必要なし、などと考えながら、さっそく2階に上がり部屋の確認。
部屋数は25。
廊下と各部屋の内装はどこも綺麗。
私は正面道路側の角部屋に決めました。
それは日当たりがよく、畳と壁が新しい物だったからです。
その日は自分が決めた部屋と2階の廊下、階段を掃除して帰りました。

私が住んでいるアパートはまだ契約期間内でしたが、すぐにでも引っ越したいと思い、暇な友人2人組みに連絡をとり、明日の引越しを手伝ってくれるという約束をとり、布団に入りました。
しかし一睡もできませんでした。
それは一晩中いままでに経験のない耳鳴りと頭痛に悩まされていたからです。

そして翌日、約束の時間になっても友人は現れませんでした。
約束の時間から1時間ほど過ぎたころ電話があり、それは友人からで病院からでした。
話を聞けば、昨日深夜、今日ここに来るもう1人と車で移動中に気分が悪くなり運転に集中できなくなり、壁に衝突したとのことでした。
怪我は大したことはなかったらしいのですが、引越しを手伝ってもらえなくなったことで動揺して、初めの異変に気付きませんでした。
家具といっても大きな物はベッドとタンスのみだったので、すべて分解して一人で車に乗せ、私の車はワゴンでしたが、4往復でなんとか自力で家具などを運び終えたときには、すでに夕方5時でした。
それから荷物を自分の部屋に運び入れ、家具などを組み立てて、とりあえず引越しが完了したときには、昨日寝ていなかったため、すでに体力の限界に達していました。
食事も取らずに倒れるように横になり深い眠りに入りました。

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