学校の怖い話
学校内の開かずの間

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俺の通っていた中学校は、団塊ジュニア世代が大量入学するのに備えて新たに設立されたため、学校の校舎はかなり大きな建物であった。
しかし俺が通っていた頃には既に生徒数も減少し、幾つもの空き教室が存在した。
その学校自体が丘陵地の斜面に建てられていて校舎へ入る玄関は建物の2階部分、また校庭もその2階部分と同じ
高さにあり、空き教室は全体的に日当たりのよくない北校舎の1階部分に集中していた。
1階の空き部屋は5つもあり、そこには使われない卓球台とか大きな地図版とか体育祭や文化祭で使った様々な用具が無造作に置かれ物置と化していた。
そしてその5つの空き教室は全て扉が外から施錠されており、立ち入り禁止となっていた。
 だが、5つあるうち2つの教室は廊下側の窓の鍵が開いていたので、それを知っている一部の生徒が無断で侵入して
隠れてタバコを吸ったり、シンナーやっていたり、中にはそこでセッ**をするツワモノもいた。
 これらの5つの部屋は全て、廊下側も外側も窓に黒いカーテンが掛かっており、入れるほうの2つの部屋も
このカーテンをキチッと閉めてしまえば外から分からなくなる。
又、その2つの部屋に入った後、廊下側の窓の鍵を内側から閉めてしまえば、後から来る邪魔者も防げて隠れて何かワルサするのに便利だった。
 もっともこんな退屈な場所、普段みんな遊びに行かなかったけどね。

俺もたま~にこの2つの入れる空き部屋に行ったことがある。
大概は部活をサボっての暇つぶしで、友人と
一緒にちょいとタバコを吸ったり(時効)エロ本持ってったり、ビール持ち込んで菓子食いながら酒盛りしたりしていた。
 これらの部屋は一応電気も通っているのだが、外が暗くなってから電灯を点けると教師にバレてしまうので、
日のあるうちはカーテンをちょっと開けて外光を取り入れたりしていた。
が、どっちにせよ部屋は北向きで暗いし、外はすぐに木々の生い茂った丘陵の上り斜面が迫っており鬱蒼とした雰囲気。
あまり長居したくない場所だった。
 ここについて生徒間では、元々墓地だったとか、戦国時代の古戦場だったとか、そのため幽霊が出るだとか
噂されていたが、実際は別にそんな場所ではなかった。
(余談だけど隣町に結構有名な心霊スポットがあり、そっちの方が知られていた)
 ところがある日、あの空き教室には何かいるんじゃないかって噂が立った。曰く、カーテンに位置が前日から
少し変わってるとか、夜中に学校の傍を通りかかった時、窓に薄明かりが灯り、ゆらゆら揺れる人影が見えたとか、そういう話だった。
 だがそれは、我々生徒が侵入できる2つの部屋の方じゃないのか・・?カーテンの位置が変わっていたのも外光
を取り入れるために動かした奴がいるんじゃないのか・・?夜の明かりだって人を脅かすためのデマか、本当
だったとしても多分夜中にあの2つの教室に入ったか、残ってたかしてたんじゃないのか・・?俺自身、友達と
一緒に夜中にこの2つの部屋に肝試しに行ったし・・・。

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