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バキャッ

俺の左手首がもげた。一瞬だったが俺にはスローモーションのよう
に感じた。見るともうセメントは消え、人形は俺の左手首を拾って
いた。感覚が麻痺してきたのか痛みを感じなくなってきていた。俺
は這って自分の部屋を目指した。窓から外に逃げようと思ったから
だ。

這いながら考えた。これは一種の呪いの結界ようなもので、その対
象範囲は恐らくこの家の敷地内のみだ。そして一体誰がこんなこと
をしているのか・・・まったく心当たりがない。だからこの結界の外
に出てしまえば、きっとこの「正夢」から出られるだろうと考えた。

グサッ

ぐおお!? トイレの前で背中を刺された。恐らくマイナスドライバー
だ。階段の前を通り過ぎて自分の部屋へ進もうとした瞬間、俺はまた
凄い力で2階へ引っ張り上げられた。2階の廊下に叩きつけられた俺
は、すぐさま異様な匂いに気が付いた。

ガスだ・・・

462 本当にあった怖い名無し sage 2010/03/03(水) 19:43:44 ID:2Yx6JI//O
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よく見るとファンヒーターのケーブルに傷がつけられガスが漏れ出し
ていた。すでに充満している。ここにいたらヤバイ・・・と、またあの
音がした。

カチッ カチッ

誰かがあのライターで火を点けようとしている。俺は咄嗟に階段から
転げ落ちた。ボンッ! 凄い勢いで炎が2階を埋め尽くすのが見えた。
と、同時に1階へ落ちた。

ブツン

うぎゃ!? 右耳が取れた。。。階段に置いてあったピアノ線がなぜ
か両柱に縛られ張られていた。俺の体はすでに痙攣をし始めていた。
心が負ければその時点で死んでしまう。すでに家の半分以上は炎に包
まれていた。俺は最後の力を振り絞って自分の部屋まで這って行った。

ジリジリと炎に焦がされながらも部屋の中へ入った俺は見た。

部屋の天井からさっき置いたロープが垂れていた。まるでここに首を
入れろと言わんばかりに。そしてゴミ箱の中で何かが蠢いている。俺
は無視して窓へ向かった。すりガラスだが薄っすらと外が見える。気
が付くとさっきの人形が窓枠に立ってこっちを見ている。

どうしても俺を外に出さない気か・・・

463 本当にあった怖い名無し sage 2010/03/03(水) 19:45:44 ID:2Yx6JI//O
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途端に後方へ弾き飛ばされた。箪笥にぶち当たると俺は、急激に全身
から血の気が引いていくのがわかった。意識がもうろうとしてきた。
もうダメかも知れない・・・と思ったその時、ヒラヒラとリストが目の前に
落ちてきた。薄れゆく意識の中で俺はリストの最後のアイテムを見た。

鯉のぼり

俺は ハッ!となり、全てを思い出した。
その瞬間、押入れから神々しい光が溢れ出し、もの凄い勢いで炎やア
イテム、俺を襲った人形達を飲み込んでいった。そして聞いた。人形
の断末魔のような声を。。。

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bronco

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