この怖い話は約 2 分で読めます。

深夜、アパートの自室で、テレビのバラエティー番組を見ながら、カップ麺をすすっていると、
 「ぎゃあ!」
 という、女の悲鳴が聞こえた。耳元で叫ばれたような迫力に、びくっと肩が動いた。
 好奇心が恐怖に勝った。箸を置いて、窓辺に近づき、そろそろと窓を開けて、
アパート前の道路を見下ろしてみると、ジャージ姿の若い男が走ってきた。
まさか、と思った直後、男が不意にこちらを見上げ、立ちどまった。
街灯に照らされた顔が、みるみる歪んでいく。
 男がまた走りだして、アパートの階段を登りはじめた。こちらも慌てて玄関へ走る。
 施錠を確認して、ドアノブから手を離した瞬間、向こうからドアノブが回された。
続けざまに激しいノック。おれはその場に腰をぬかした。
 「早く出て来てください!」
 男が叫ぶ。
 「その女はやばい!」

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